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はじめに

 

感染性の植物病害は、菌類やウイルスなどの病原体によって引き起こされます。これらの病害は、世界中で作物の大きな損失を引き起こすだけでなく、化学薬品を用いた制御手段がしばしば投じられているにもかかわらず、風景植物や花壇などの美観を損なう事態をもたらすことがあります。デュメンオレンジの育種チームの目標は、深刻な病害に抵抗性を持ち、薬剤散布の回数を少なくし、生産者と顧客の双方にとってより持続可能な品種を開発することです。

しばしば抵抗性と耐性という言葉が同じ意味で使われ、また、抵抗性は免疫と同じと誤解されることもよくあります。業界代表は、根拠のない誤解を招くような主張を避けるため、新しい植物がリリースされる際に、病害抵抗性および/または生物学的ストレスに対する耐性について説明するために使用する特定の用語を、業界全体で採用することを検討するための主導的な取り組みを行うよう、AmericanHortに要請しました。 

https://irpcdn.multiscreensite.com/5d757b5b/files/uploaded/TerminologyWhitePaper-AH-HRI.pdf

 
定義

AmericanHortは、環境園芸業界に対し、病原菌に対する植物の反応を表現するために、免疫性、サセプティビリティ(感染しやすいこと)、高抵抗性または中間抵抗性という用語を使用することを推奨し、一方、顧客とのマーケティングコミュニケーションにおいては、生物学的ストレスを表現するために耐性という用語を使用することを推奨しています。以下に示す定義は、試験実施時に、特定の病害または生物学的ストレスに関連して、新規にリリースする植物性物質に対するクレームを明確にするためのものです。なお、抵抗性の変化は、当初の賠償請求の対象とはなりません。

免疫性とは、植物がある病原体に感染しないこと意味します。

抵抗性とは、特定の病原体の影響を排除、妨害、または克服する能力のことで、サセプティビリティ(感染しやすいこと)の反対です。抵抗性品種は、病原菌の圧力が強く、または非常に起こりやすい環境条件の場合に、何らかの病徴や被害を示すことがあります。抵抗性のレベルは、高と中間の2段階が定義されています。

  • 高抵抗性とは、感染する可能性はあるが、特定の病原菌の生育または発育を制限したり、あるいはその病原菌が引き起こす被害を制限したりする植物品種を表します。
  • 中間抵抗性とは、特定の病原菌の生育または発育、ならびにそれが引き起こす被害を制限しますが、高抵抗性品種と比較して、より広範囲の症状または被害を示す可能性のある植物品種を表します。中間抵抗性を持つ植物品種は、同様の環境条件または病害圧力の下で栽培された場合、サセプティビリティ(感染しやすいこと)の植物品種よりも深刻な症状や被害を示すことはありません。

植物品種において抵抗性が主張される場合、それはその品種が試験された病原体の特定のバイオタイプ、パソタイプ、レースまたはストレインに限定されることに留意する必要があります。

サセプティビリティ(感染しやすいこと)とは、植物が病原菌の侵入に抵抗できない、あるいは制限できないことで、抵抗性の反対です。

とは、植物の品種が、生育、外観、および収量に深刻な影響を及ぼすことなく、生物学的ストレスに耐える能力のことです。


デュメンオレンジ イントリンサ
®についての質問&回答

質問: Intrinsa®(イントリンサ)」とは何ですか? 
回答: Intrinsa®(イントリンサ)」とは、デュメンオレンジの一部の品種につけられた商標で、高度な予測型育種技術を駆使して、植物が本来持っているDNAをすべて活用し、パフォーマンスと耐病性を向上させるための望ましい育種方法を特定することです。イントリンサを通じて、私たちはより環境に優しい未来のために、より持続可能で経済的に実現可能な植物を開発していきます。 

質問: イントリンサはマーカーアシスト選抜ですか? 
回答: イントリンサの品種は、マーカーアシスト選抜と、ビッグデータや画像解析ソリューションを活用した他の予測型育種技術を組み合わせた結果によって生まれたものです。  

質問: 従来の育種と比較して、予測型育種にはどのような影響がありますか? 
回答: 予測型育種を行うことによって、複数の分野に影響が及びます。1) 育種家が高品質の子孫を残す可能性の高い交配を選択するため、繁殖パイプラインの質が高まります。2) DNAベースのスクリーニングおよびコンピューターベースのアルゴリズムにより、重要な形質や特性がパイプラインの早い段階で選抜され、より高品質な品種が生まれます。3) インビトロ植物培養法を使用し、卓越した性能を確認した植物の育種プロセスをスピードアップさせます。

質問: これらは遺伝子組み換え作物ですか? 
回答: いいえ。イントリンサは遺伝子組み換え作物ではありません。私たちは商業品種を改良するために、植物が本来持っている性質を利用して、特定の病原菌に対する稀な自然抵抗性を持つ植物を特定します。これらの抵抗性を研究し、予測育種ツールを構築することで、当社の商業ポートフォリオに耐性のある品種を導入しています。 

質問: 現在、イントリンサの遺伝子を利用できる品目には何がありますか? 
回答: 当社のポートフォリオでは現在、TMV抵抗性のペチュニアと白さび病に抵抗性があるマムを提供しています。

質問: イントリンサとして提供されている品種とそうでない品種はどのようにして見分けますか? 
回答: どの品種がイントリンサの遺伝子を受け継いでいるかは、カタログや ウェブサイトを通じて、イントリンサのアイコンで見分けられます。

質問: 特定の地域や国のために抵抗性を主張していますか? 
回答: 特定の病原体に対する抵抗性を確認するために、広範な内部および外部テストが行われます。この確認プロセスにおいて、当社の科学者は、病原体に関連する自然な表現や表象から病原体を使用します。すなわち、特定の菌類に対する抵抗性を試験する場合、その菌類の複数の関連する地理的起源のものを使用します。これにより、抵抗性が一般的なものなのか、特定の分離株(分離株:病原体の関連変異)に対するものなのかを判別できます。詳しくは当社までお問い合わせください。

質問: 他の育種家が育種プログラムにイントリンサ品種を使用することができますか? 
回答: 特許で保護されたイントリンサ植物性物質の使用は、それらの市場におけるデュメンオレンジの事前承認が必要となりますが、他の育種家が私たちの技術革新を利用するためのライセンスの取り決めについて話し合うことも可能です。


免責事項

私たちは、特定の作物のページに明記されている抵抗性を主張します。病原菌は進化し、抵抗性を克服する可能性があります。従って、抵抗性の主張は、試験時の植物の状態を反映したものです。時間の経過に伴う抵抗性の変化は、当初の賠償請求の対象とならない場合があります。

詳細については、 intrinsa@DummenOrange.comまでお問い合わせください。